入院中のこと

突然ですけど、rikaponn さんが昨日書かれていたお話に触発されて書いてみたい話があります。

入院中に、2つ隣の部屋のおばあさんが夜亡くなられました。何だろう?と気になり出したら、
一気に廊下の緊張感が高まり、医療関係者の慌ただしい足音、ご家族や親戚が集まりだした気配、
誰も説明には来ませんでしたが(それはそうでしょう)、もうその時が迫っていることは空気で
伝わってきました。その手のことが大の苦手の私はもうすっかり怖くなって、個室でしたので
ドアをぴったり閉めて部屋から一歩も出ませんでした。

聞こえてきたのは娘さんらしき人の、「お母さん、行かないで!」「お母さん、戻って!」という
叫び声で、それが数時間は続いたと思います。数時間も諦めないで呼び戻そうとする執念は
本当に凄い。凄すぎますね。私みたいな淡泊な人間には出来ないことです。

朝起きたら、何事もなかったように看護師さんが検温等にきてくれました。
その朝部屋の前を通った時はどうだったかな、あまり覚えがないので閉まっていたのかも。
ただ、空のベッドが外に出されていてピンときました。
次の日ぐらいに通った時は部屋の中はもうもぬけの空で、それはそれは綺麗に片付けられていました。

あまり(と言うか全然)人の死に立ち会った経験のない私には初めての経験だったかも。
ずっと寝たきりのおばあさんで部屋から一歩も出られませんでしたし、私も手術直後は
あまり歩き回る状態でもなかったので、結局ご縁のない方でした。

ただ、娘さんの声と一緒に私も「出来たらもう一度目を覚まして」「頑張って」と
心の中で思いました。その人のことを思って、より、死を怖れる気持ちから、が
ずっと強かったような気がします。

あまりまとまりのない話ですみません。特にだからなんだ、と言う話ではないし、
病院ではよくあること、と言われればそうでしょうね。でも、自分にとっては
忘れることの出来ない一夜でした。